こんにちは! Excel講師の榊裕次郎です。
Excelでダッシュボードを作る、というマニアックな分野があるのですが、今日はこれを1日自由研究しました。実際にどういうものか? YouTubeで「Excel Dashboard」と検索すると、それなりに海外の方の動画がヒットします。
自分もサンプルデータをもとに作成してみました(※ 全体像はリアルデータをサンプルに使っているので隠してあります)
なんてことなさそうなキャプチャですが、実はいろいろと深いです。
まず、基本レイアウトは
① タイトルがあり、
② 図形ツールで作成したグローバルナビゲーションがあり、
③ サイドバーにスライサーがある
という感じです。
スライサーで抽出されたデータが、ダッシュボード上のピボットグラフやテーブルに連動して表示される、といった具合ですね。
また、Excel方眼紙のエッセンスをすこし取り入れ、けれどもオートフィルをスムーズできるように注意を払いながらセル結合。全体のデータと、見たいデータだけを見れるようにデザインする。
ダッシュボードとして使うためには、[校閲]タブでユーザー操作を制限し、[データの取得と変換]でRAWデータを差し替えたり(件数が多い場合はおすすめしない)、ExcelマクロでRAWデータを取り込んだりと、そこはがっちり固める必要があります。
最初はすこし馬鹿にしていたのですが、図形を使ってハイパーリンクをごりごり設定、Web制作よろしくグローバルナビからページ(シート)作成していくと意外とメリットがあることに気づきました。
BIツールを構築しても、閲覧者は編集操作ができません。
Excelで制作者しかわからないワークシートを作成すべきではないという立場にいるのですが、Excelダッシュボードの構築に関しては、ゴリゴリ作ってもいいと思いなおしました。
集計上シートが多数存在しても、②の図形で作成したグローバルナビゲーションで移動できるので、シート見出しはいくらあっても操作性を悪化させません。処理は全部マクロで動かせばばっちりな気がしたのです。
どうしてExcelダッシュボードが必要なのか?
最初の理由として、Googleスプレッドシート、いくらGASで操作を完全自動にしても、そもそもGoogleスプレッドシート苦手な人が多いという点です。
やはりExcelベースのほうが、現場が回ったりもします。
加えて、なんでもかんでも自動化にすると、人はデータを見なくなる傾向にあります。そのため、ある程度操作部分を設計して、確認をしてもらうフローを導入しないといけません。
ここは「ユーザーエクスペリエンス」の部分ですね。データの結果を出しても、その結果がファイルを開いて操作している人に「情報化」させないといけない。
操作をして満足を得るところまで考える。ああ、難しい。
けれども、そこを設計することができれば、わざわざBIツールを使わなくてもExcel済みますし、まずは自分自身が使いやすいワークシートを見つけてみようと思います。