2018年8月4日(土)、富士宮口五合目から山頂の宿までの記録です。前泊の記録はこちらから。その1 > キャビンハウス ヤド 富士宮店は、富士宮から富士山に登るときのおすすめ宿
富士宮口から登るときは、ここでみんな記念撮影をしていました。なので、自分も撮っておきました。登る前に山頂を見上げると、5回目の富士登山とはいえ、いつもどおり本当に上まで登れる体力があるのか、毎回不安になります。
見上げれば、それはそれはの距離ですからね……。富士宮口から山頂までの概要は以下のとおり。
- 富士宮口五合目(スタート)~六合目
- 約30分(ウォーミングアップ)
- 六合目~新七合目
- 約60分(長い距離①)
- 新七合目~元祖七合目
- 約50分(長い距離②)
- 元祖七合目~八合目
- 約50分(登りがきつくなる)
- 八合目~九合目
- 約40分(極めてゆっくり)
- 九合目~九号五尺
- 約30分(ここはあっけない)
- 九号五尺~山頂
- 約30分(ラストスパート)
五合目から六合目
富士宮駅6時30分出発のバスで5合目に到着したのは、午前7時50分。スタート地点となるこの5合目で体を慣らしてから準備体操を行い、午前9時より富士登山スタートします。
天気予報は曇りのち晴れ、一時雷雨でした。一時雷雨は山の天気なのでいつものこと。ただ、今回は雲がもくもくととても多かった。
五合目から六合目までは、およそ30分の距離。あっという間に到着します。
富士宮口からの登山ルートは、距離が少ない分、高度が一気に高くなるため高山病になりやすいルートでもあります。ずんずん行けそうでも焦ることなかれ、五合目から六合目は現在の体調を見極めながら登っていく、ウォーミングアップ区間として意識するといいですね。
到着は9時半。予定時間どおりです。
六合目は「雲海荘」という山小屋でした。
休憩は10分ほど取り、次の目的地である新七合目に向かい出発します。ここからは約60分ほどの道のりとなりました。富士宮口からのコースでは、一番長めの区間です。
六合目から新七合目
岩場がごつごつと続いていました。雲が多く、周囲の景色をあまり見ることができなかったので、黙々と、淡々と登って到着は10時28分。
ペース配分としては教科書通りです。
新七合目は、御来光山荘という山小屋でした。
ここまで頭痛はなかったのですが、その代わり暑かった。
涼しいけれども、ときおり吹く生ぬるい風が実に不快だったのです。この時点で、1本目のペットボトル水500MLを半分以上飲んでしまいます。
今回の登山の敵は、高山病よりも熱中症だったかもしれません。
新七合目から元祖七合目
まだまだ登山道は続きます。
次は八合目と思いきや、七合目がまだ存在します。富士宮口では、七合目は2つ存在するんですね。距離はさっきと同じぐらい。10分ほど休憩をとり、元祖七合目を目指しました。
道のりは単調で、景色は雲だらけ、ときおり雲が晴れて見える景色を眺めながら、呼吸を整えつつ岩場を登っていきます。
この区間も淡々と、黙々と、前傾姿勢になりすぎてしまい、下を向いて歩くことが多かった。
やっとのことで到着。ふりかえってみると、この新七号目から元祖七号目の区間が一番長く感じたかな。表口と大々的に記載された元祖七合目、無事到着しました。
いつの間にか海抜3000Mを超えていたのですね。
ここまでの到着時刻は11時30分。なおも予定通りです。
この場所も雲だらけですが、雨雲ではありませんでした。快晴の状態で太陽の光をずっと受けているより、曇りのほうが動きやすい。雲のおかげで登りやすい状態ではありましたが、ただただ暑い。
次は八合目。
ここからは極めてゆっくり登っていかないと、高山病のリスクが次第に上がっていきます。これまでの経験則より、七合目から八合目の区間を極めて慎重に行かないと、頭痛がはじまってくる高さだと体が覚えているようです。
適宜酸素を吸い、適宜水を飲む。頭痛が起きてから、また喉が渇いてからでは遅い。
それを意識していたら、ここまででもうペットボトル1本飲み干してしまい、2本目も半分なくなっていました。水分補給のペースがいつもより早め。1.5リットルあれば足りていたのに、今回は2リットル必要だぞということに、すこし焦りを感じてしまいました。
あと、下山客が多く、そのすれ違いが辛かった。元祖七号目ではそのため20分ほど長めに休み、11時50分よりスタートしました。
元祖七合目から八合目
険しい岩場を登り続けます。
八合目についたのは、こちらの時間。12時45分です。この区間も約50分かかりました。八合目につくと、気分的には一安心といったところでしょう。半分は終わっていますからね。
疲れてきたのか、すこしピンぼけ写真となりました。
標高は3250M。この50分で240Mも上がったのですね。
相変わらず、雲がもくもく~としております。
八合目でがっつり食事を摂ろうということで、いつも登山に持ってくるシーチキンおむすびとゆでたまごを摂取しました。ゆでたまごの体力回復度が半端ない! 登山は素人の部類に入りますが、ゆでたまごは富士登山には必需品といえましょう。塩の味がするやつですね(普段は嫌いなのですが)。
元気100倍アソパソマソ。
あと、トイレに行くのも決まって8合目。そんなに尿意がなくても、必ず行くようにしています。適宜おしっこもしないと、膀胱炎になりそうな気もして。トイレはいつもどおり200円必要です。
気温も徐々に下がり、寒くなってきました。
ここでゴアテックスの出番かと思ったのですが、八合目でも動くと暑い……。一旦は着替えたものの、すぐに五合目の出発時と同じ服装のまま、九合目を目指しました。
雲のおかげで、同じような景色が続きます。メンタルは比較的元気でしたね。
八合目から九合目
あまりにも景色の写真がないので、元気な写真を撮ってもらいます。
九合目の目印は、この二本の木の柱。木にお金が挟んであるのですが、間近で見るときのこがもさーっと生えているようで、非常に気持ちが悪い。なぜこんなオブジェを作るか!?
で、九合目に到着です。210M登ったのですが、時間感覚的にもあっけなかったかも。
九合目の到着時刻はこちら。
一気に200Mほど登るということは、東京タワーが333Mなので、地上から階段で展望室あたりまでを上がっていくイメージですかね?
次は九号五尺。実はここも同じ高さを登っていく必要があります。
九合目から九号五尺
気づいたら雲の上に来ました。そりゃそうですね。九合目を出れば3500Mは登っているので、空を飛んでいる飛行機ですら大きく、早く動いてみえます。
登山中は何機も見ることができたので、飛行機からは登山客が見えるのかなと、すこし疑問になりました。出張のときは必ず窓際で富士山を眺めているのですが、閉山しているときが多いので、雪しか見えないのですね……。
そんなこんなで、あっさりと九号五尺に到着! 手作りのインスタグラム的なオブジェがありました。※ #感謝祭だけ意味がわからなかった。
頂上は目前ですので、ここは休まず一気に行きます。時間は2時56分でした。
九合五尺から山頂
休憩なしでラストスパート!
あと200Mといっても、登りだとなかなか到達しないのが富士登山です。だいたい100M7.5分ぐらいの移動距離でしょうか?
あと300Mという表記をよく見たのですが、やはり15分から20分程度かかりました。雲も晴れてきて、頂上が見えてきます。
この鳥居を過ぎたら、あと5分ぐらいですね。
で、山頂到着! わいわい!
到着時間は…だいたい午後4時。
なので、午前9時から登り始めて、休憩を含め、7時間での到着となりました。富士登山はマラソンと同じ消費カロリーとはいいますが、気圧変動がある分、それ以上のカロリーは消費した気分ですね。下山したら、少しは痩せていることを祈ります。
宿泊する宿「頂上富士館」のチェックインは16時から、夕食・朝食付きで8500円を支払い、雑魚寝の部屋に泊まります。
宿舎に入ってびっくり、お布団とお布団の間が狭く、寝返りすら打てないくらいの間隔でした。ただ、これは、詰め込みすぎ、じゃないか? と……。
寝るとこんな感じ。6畳間に12人が泊まるイメージです。3700メートル近いところで6畳間に12人、登山慣れするしないというより、この人口密度けっこうきついですよ。
消灯は午後7時で、そこから午前4時半までは外に出れないというシステムでした。
トイレは使い放題、すごく汚いと聞いていたのですが、きちんと便器が装着されていましたので、ぼっとん式ではあるものの、大きいほうも無事にできる清潔感がありました。
匂いはそれはそれはそれはそれはひどいですが……業務用扇風機でにおいを遠ざけてくれています。
ラフな姿に着替え、夕飯の17時までのんびり過ごします。なんと僕たちが登頂してチェックインした直後に雨が降り始めてきたのですね。ほっとしました。
夕飯はカレーと卵スープ。ちょっぴり辛め、あっという間に飲み込んでしまいました。山頂で暖かい卵スープとカレーが食べられるのはいいものです。
カレーを食べたら、あとは外にも出ず、明日のご来光の準備をして、狭いお布団に入ります。
この日は80人の団体(子供たち)がいて、子供たちがうるさいクレームではなく、引率の先生が夜も朝もとにかく騒がしく、大変迷惑をこうむりました。
彼らはちょっと自分勝手すぎましたね。どこのガイドだ?
午後7時に消灯いっても寝られるはずもなく、子供たちの高山病による頭痛の叫び声や鳴き声、嗚咽などを聴きながら、なんとか3時間だけ、浅い眠りにつくことができました。
起きたら案の定頭痛がひどかった。このすし詰めな宿泊、弾丸ツアーより危険か……?