事務所を開設したとき、これからの人生をしっかりと記録しておくため、Evernote(パソコンツール)での日記から、手書きの日記に切り替えました。
キーボードでタイピングするよりも手間はかかりますが、手で書いたほうが記憶に残る、反省する、振り返って成功を喜べる、と思ったからです。
上記写真、高橋書店の2年日記は、見開きページ左側が2017年の日記記入欄で、右側が2018年となっております。
2018年1月26日から書きはじめたので、現在は左側、1年前の同日に記載したことを読み返しながら、いま2週目の日記を綴っています。
ちょうど1年前の今日は何をしていたかというと、シェリー酒を飲みたい衝動に駆られ、お友達のプログラマー君と一緒に、東京、上野に近い湯島駅近くのバーへ行ってきました。
これが1年前の写真。
お兄さん、かっこよかった。
このお兄さんが作ってくれた「バレンシアパエリア」が驚きの一品で、パエリアをいままで食してきた中では一番の味でした。
【参考】 バーボラッチョ(食べログ)
1年前の飲み話についてはさておき、春は昔から情緒不安定になりやすい上に、思い悩むシーズンでもあります。どうしてそういう心の癖を持ってしまったのか?
23歳から発症した母親ゆずりの重度な花粉症のため、この時期はネガティブに陥りやすいというのもあるのですが、決定的な心の作用があったようです。
原因は小学校・中学生のころに遡ります。
講師なりに体得し、教えてもいる自己分析を繰り返し、数年前にその時間軸を特定しました。
昔からクラス替えに運がなかったので、この時期になると、必然的・反射的に憂鬱になってしまうのです(4月ニナルト、嫌イナヤツト一緒のクラスニナル。アアイアダ)。
生徒会的な存在だったので(実際に生徒会でした)、問題児的な学生は僕がいるクラスに配属されていたような気がします。その心の作用は、いまでは自動化されたネガティブプログラムとなって、多方面から襲い掛かってきます。
今朝、この脳内プログラムが発動し、仕事がうまく行かなかったクライアントのことを思い出しては、どうしてうまく行かなかったのか? また同じことを繰り返すのではないか? と、頭で一杯になってしまいました。
ボクハオニモツダッタノカナ、ムノウダッタノカナ……。
大喜びした仕事
講師になって最高に嬉しかった出来事、それは帝京大学でのMOS試験対策講座でのお仕事です。
MOS試験のMOS(もす)というのは、「マ」イクロソフト社の「O」ffice製品における「ス」ペシャリストの略号です。
重度の障がいをもつ双子の女子学生に対して、Wordを指導するといった内容でした。
彼女たちは電動車椅子に乗っています。半身不随のため、お母さんがつきっきりでの講座でした。
MOS試験における障がい者対応は、通常の試験時間よりも倍の時間が与えられます。ただ、時間制限が2倍になっただけ、それ以外は何も措置を与えられません。
つまり、キーボードとマウスはしっかり使わないといけない。
関節が一部固まっている指、動かせる範囲が限られている不自由な腕で、正確な入力をさせるためにはどうしたらいいか?
この操作のときはこうしよう、あの操作のときはこうしよう、ドラッグ&ドロップの操作で範囲が広い場合は無理だから、試験では諦めてもらおう……。
あれほどWordについて考えたことはなかったかと思います。たった3日間の指導でしたが、Wordの試験に二人そろって合格できた旨を聞いたときは、本当に喜びました。
Wordができるなら、Excelももちろんできます。Excelができるなら、障がい者でも十分なIT業務はできるという確信があったからです。
過去1年間の仕事
フリーランスなので、仕事の6~7割は受注形式ではあるのですが、前述のようになんとしてでもこの子を育てたい! 無条件の愛と申しましょうか、そういった感覚の仕事は稀なようです。
Web制作の案件を例にすれば、会社の顔となるWebサイトを制作しても、制作してから1年たった今でも誰も更新しない、永遠に「ホームページを更新しました」の記事がある会社もあります。
特別な料理のコース、いま採れるおいしいものをふんだんに使って制作したディナーを、一口程度しか食べずに、あとは破棄してしまう仕事ばかりのように感じています。
仕事の仕方が間違っているのか? 僕がやるべきではなかったのか? 依頼された仕事は給料泥棒に値することだったのだろうか? 実はそれは錯覚で、そんなことはない。
これはネガティブプログラムが作動した脳の作用に違いありません。
法則を思い出す
社会人として、大胆な強気発言でもありますが、現段階でお金に余裕がない、ということはありません。いつだって相手のことを考えて仕事をしてきたからです。
お金というものはとてもわかりやすいパロメーターで、自分のために使い続けていると、確実に失います。独りよがりの小説を書き続けてきた自分でしたから、とてもよくこれは悟りました。
フリーランスとして、これまでやってきた仕事が相手のためにならず、独りよがりできたのであれば、あのときと同じでお金はなくなるはずなのです。
お金は増えていく段階であるので、現段階では自分の仕事で、ヤクニタタナカッタ、ということは一切ないと言い聞かせ、そして断言していいんだなと思い至ることで、心の中がすっきりしました。
今やっている仕事が、独りよがりでなければなんら問題ない。
春というのは、本当に厄介な季節です。