自分のためにも、減点評価環境についてまとめておきたい衝動に駆られました。まずは過去から整理し、タイピングを続けていきたいと思います。

大学卒業後、ハリーポッターを読んでしまったがために、小説家になるべく家にこもり、けれども26歳のころとうとう貯金通帳が0となってしまい、親から10万円ほどの資金援助を受けました。

情けなかったし、「パラサイト」というキーワードも流行っていたので、結婚していく同世代の友達と随分かけ離れてしまった、という気持ちでいっぱいでした。

新卒組は結婚し、家を買い、車を買い、子供が生まれ、対して私は……。

いい加減働かなくてはと思い、無事に派遣社員で貯金通帳を100万円まで復活させることができました。その派遣社員時代、職場内の知り合い正社員が自殺してしまったという出来事は、いまでも覚えています。

これを過去Aとしましょう。

派遣社員の契約期間が満了し、別のところで夢も希望もないまま正社員となりました。ここから地獄の13ヶ月が始まります。

新入社員である私より下の人はいませんし、新しく採用もされません。つまりは全員が上司。総括する上司からはいつも怒られ、勉強不足だ、態度が悪い、と四六時中怒られていました。

スキルがなかったことは事実ですし、不可抗力による出来事も運悪く多く、理不尽な説教をされた日は思いっきり態度に出ていたことは認めます。

ただ、毎日その状況が続けば「役立たず」というラベルを自分自身でも貼ってしまい、ストレスもリミットを超えると多汗症だったり、不整脈だったりと健康被害に繋がるものです。私はそこで働けなかった。

これを過去Bとします。

さて、そこを辞めてしばらく無職となり、貯金通帳がまた0に近づきはじめた頃、現在のスタート地点となるサラリーマン講師として落ち着きました。

ストレスフリーで、しばらくは最高でした。これが自分のやりたいことだった、という発見もあったわけですから、毎日に興奮していました。

けれどもある日からストレスを感じるようになります。部下ができたのです。一人、そして二人と……。

これを過去Cとします。

過去Aの状態から、過去Bに突入。そして過去Cのフェーズで、初めてできた部下。正直、どう教えていいかわかりませんし、どう上司として振る舞えばいいかも知りません。

褒めると調子に乗ってしまい、しかるとふくれっ面になりコミュニケーションが取れなくなる。完璧な指示を出さないと、イレギュラーが起きたときはそれは言われていませんと流され、任せていた教室のトイレ掃除は雑であり、SNSであほな上司と投稿されそうになる。

一人は入社前から鬱だったということが判明し、過去Aによる不安、自分の教育が原因で自殺してしまうのではないか、というストレスもありました。また、部下のミスは連帯責任。なるほどなるほど……。

社長には総括しろという指示もあり、なるほどこれが板挟みの状態かとも思いました。過去Bのフェーズで過去Cの状況が訪れてしまったら、未来は変わっていたかもしれません。

自営業者になってから、こういうことに悩まなくなりました。常に一人ですし、自分の居場所を確立させて、自分のできる範囲で仕事をしてきましたから、なんでも一人作業でした。

もちろんチームとして動くということもありましたが、それは長くても1週間で解散するチームゆえにカウントには入れていません。

上司だから、部下だから、先輩だから、後輩だから。あの人がやっていない、指示がない、仕事ができない、ありえない、できていない、ないないない……。

脱出ゲームブログを運営していたおかげで、マインドシフトができるようにはなったと思っています。そのマインドシフト、気づいたつもりでも忘れてしまう。上司からこっぴどく言われていた過去の記憶が、自分もあのときの上司とすり替わって、新人さんを押しつぶしてしまうかもしれない。

過去A~Cは、いつだって減点評価の世界でした。過去Cは、自分が減点評価をしていましたね。

いま、この状況からどう脱出するか? すべてをゲームに置き換えるといいのではないか? 一人の力では脱出できないし、一人が失敗すれば脱出はできない。複雑な鍵を開くためには面倒なことも多いけれど、脱出成功率100%はいつだって喜びに満ちあふれるものです。

ただ、加点評価環境も難しく、その100%を一緒に喜べない人だと難しい。全員が全員で動いて全員で達成感を味わうような環境。誰か一人が楽をし始めたら、加点評価環境から減点評価環境に移行してしまう。

自営業5年目、自分の可動領域は限界に達しています。もし、自分の下につく人を迎えるとするならば……。

ひとまず自分自身が減点評価をする人間にならないよう、また減点評価の世界を構築しないよう気をつけないといけない、ということをふと思った2017年11月第3週の木曜日でした。

そこしかないかな。