Google AdSenseというと、収益化、マネタイズという言葉が先行してしまい、それが行き過ぎて「サイトに広告を貼ればお金がもらえるサービスだ」という認識になってしまっています。
少なくとも私自身が2006年に審査をした際、無料でお金をもらえるサービスがあるのか!? という卑しい気持ちではじめましたから、そういう認識から開始したことは否定はしません。
単純に広告を貼ればマネタイズができる、という認識だとまずいので、ここで改めてAdSense広告のクリックによる収益はどこからきているのか? このことについて説明をしていきます。
価値の低い広告枠ばかりのページを量産してしまうと、Google AdSenseそのものの価値が低下してしまいます。広告主(お金を払う側)の存在を確認することで、価値の高い広告枠を作る重要性に気づくことでしょう。
広告収益の源であるGoogle広告から見ていきましょう。
例えば、私がExcel講座の募集するために、Google広告より以下のディスプレイ広告を出稿しました。
私が支払う広告予算は50,000円。講座は1人30,000円で、10人募集しています。
50,000円を投資で、参加者を10人獲得することができたら、300,000円の売上を得ます。50,000円で250,000円の利益が発生させることができれば、費用対効果(ROAS)は500%になります。
ターゲット層を絞り、東京に住む25才から34才まで、Excel 勉強、Excel 講座、エクセル 1日というようにキーワードを細かく設定し、配信時間は16時から22時まで、1日あたりの予算は5,000円、2週間の期間を設けて出稿しました。
Google広告側での設定は、ざっくりこんな感じです。毎日の進捗を確認して、ディスプレイ広告先の申し込みページにサイト閲覧者が到達し、講座に申し込んでくるのを待っています。
急な異動となり、Excelスキルが突然必要となった佐藤さん(仮名)は、WebサイトAを見ていると、私のディスプレイ広告が表示されました。
佐藤さんはWebサイトA(コンテンツがしっかりしている、価値の高い広告枠のあるサイト)にて、私の広告をクリックし、講座情報を確認します。そして、なんとしてでもExcelスキルを身につけたいと思い、私の講座に応募してくれました。
このWebサイトAに入札され配信された金額を仮に400円とします。佐藤さんの1クリックで、私の広告費から400円のお金が差し引かれたということになります。
AdSense収益の収益分配率は68%(コンテンツ広告)ですから、272円がWebサイトAのAdSense広告を置いた人のクリック単価=報酬となります。そして残りの32%となる128円がGoogle側の報酬となるわけです。
広告を出稿した私もWin。サイト運営者もWin。GoogleもWinということで、Win・Win・Winの構図が描けていますね。
結果、Google広告を運用して10日目、50,000円の投資のうち、6人が講座への申し込みをしてくれました。また、その運用期間中にWebサイト経由で4人の募集があり、10人満席で開講することができました。
50,000円の投資に対して300,000円の収益を得て、250,000円の利益を確保することができたわけです。広告を打たなかったらたった4人だけの開講となり、利益は120,000円しか稼ぐことができませんでした。
どうでしょう? イメージがつきましたでしょうか?
Google広告は、AdSense広告を置いているWebサイトでクリックされないと、このような報酬にならないということになります。
WebサイトAのように、しっかりとしたコンテンツのあるサイトの訪問者が、そのサイトから離脱してまで自分の広告をクリックしてくれました。
質の高いコンテンツには、質の高いクリックがなされます。逆に質の悪いコンテンツは、広告のほうがしっかりしているので、広告を何気なくクリックしてしまう現象が起きるわけです。
こうなると質の悪いクリックが発生してしまい、広告主側にとってお金をどぶに捨てるような状態が発生してしまいます。そのため、価値の高い広告枠が重要、ということになるのですね。
広告主、サイト運営者、Google、の3者が全員儲かるためには、上記のような理想の循環を構築しなければいけません。循環ができなければ、そもそも個人サイトでAdSense広告を貼るという行為すら負担になってきてしまい、AdSenseというサービスは終了してしまうという末路となります。
AdSense広告を置く人は、しっかりとしたコンテンツを作る義務がある。
この3者間のサイクルを維持するために、これは私自身にも言えることなのですが、AdSense広告を置くのであれば、全力で自身のコンテンツを書きましょう、ということが言えるわけです。
私自身もこの循環を回していくためにがんばらないと。
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